システムのパフォーマンス設定を調整する
ドライブキャッシュ、
RAID
コントローラキャッシュ、読み出しプリフェッチなどのパラメータ
に影響を及ぼす
RAID
のシステムパフォーマンス設定は、
Xsan
ボリュームのパフォーマンスに
大きな効果を及ぼすことがあります。以下のガイドラインに従ってください。
ドライブキャッシュを有効にする
アレイ内の各ドライブは、
RAID
コントローラによって実行されるキャッシュに加えて、ドライ
ブレベルで独自のキャッシュを実行してパフォーマンスを向上させることができます。
警告:
RAID
セットのドライブキャッシュを有効にする場合は、 必ずシステムを
UPS
に接続し
てください。システムを
UPS
に接続しないと、電源に障害が発生した場合にキャッシュデー
タが失われることがあります。
38
第
2
章
ストレージ・エリア・ネットワークの計画を立てる
RAID
コントローラの書き込みキャッシュを有効にする
RAID
コントローラの書き込みキャッシュがないと、関連付けられた
LUN
へのデータの書き込み
要求は、アレイを構成する物理ディスクにデータが完全に書き込まれるまで終了したとは見なさ
れません。その後はじめて、次の書き込み要求を処理できます。
(これは「ライトスルーキャッ
シュ」と呼ばれることがあります。)
RAID
コントローラの書き込みキャッシュを有効にすると、データの書き込み要求は、データが
キャッシュに入った時点で終了したと見なされます。これは「ライトバックキャッシュ」と呼ば
れることがあります。ファイルシステムでは高速なキャッシュメモリに書き込むだけでよく、速
度の遅いディスクドライブを待つ必要がないため、書き込み要求がすばやく処理されます。
メタデータのストレージプールをサポートする
RAID
コントローラの書き込みキャッシュは、必
ず有効にしてください。
一部の大規模な書き込み要求ではキャッシュに利点があることもありますが、利点がないことも
しばしばあります。ボリュームのメタデータ・ストレージ・プールをデータ・ストレージ・プー
ルとは別個の
RAID
コントローラに配置することにより、メタデータ用の
RAID
コントローラで
キャッシュを有効にし、データ用の
RAID
コントローラではキャッシュを無効にすることができ
ます。
ファイルシステムがこのようにキャッシュに依存している場合は、キャッシュ内のデータが実際
にディスクに書き込まれる前に失われることがないことを保証する必要があります。電源に障害
が発生しても、ディスクに書き込まれたデータは安全ですが、キャッシュ内のデータは安全では
ありません。電源の障害のためにキャッシュデータが失われることがないようにするため、
RAID
コントローラのバックアップバッテリーまたは
UPS
(
Uninterruptible Power Supply
)で
RAID
システムを保護してください。
読み出しプリフェッチを有効にする
読み出しプリフェッチは、たとえばオーディオやビデオのストリーミングなどのように、データ
を連続して読み出す場合に、ファイルシステムの読み出しパフォーマンスを向上させる技術で
す。読み出しプリフェッチを有効にすると、
RAID
コントローラは、特定のデータブロックの読
み出し要求の後に後続の隣接するデータブロックの要求が続くものと見なします。
RAID
コント
ローラは、それらの要求に備えるため、要求されたデータだけでなく後続のデータも読み出して
キャッシュメモリに保存します。次に、データが実際に要求された場合は、速度の遅いディスク
ドライブの代わりに高速なキャッシュから取得します。
警告:
RAID
システムでコントローラの書き込みキャッシュを有効にする場合は、必ずシステ
ムにコントローラのバックアップバッテリーを含めるようにし、必要に応じて
UPS
に接続し
てください。
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