のクオータについて
Xsan
では、制限を加える各ユーザまたはグループに対して、ソフトクオータとハードクオータ
の
2
つのディスク領域クオータを適用します。これらを組み合わせて設定して、ユーザまたはグ
ループが使用できるストレージの容量に明確な制限を設けることができます。その場合でも、予
期しないストレージが必要になった場合は、追加の容量を一時的に使用できます。
SAN
上のボ
リュームごとに個別にクオータを指定します。クオータが指定されていないユーザは、ボリュー
ム上の空き領域をすべて使用できます。
ソフトクオータ
ソフトクオータは、通常ユーザまたはグループによる使用が予想される最大領域です。これが
「ソフト」と呼ばれるのは、指定した猶予期間の間、ハードクオータで指定した容量まで超過で
きるためです。
ハードクオータ
ハードクオータは、ユーザまたはグループが使用可能な領域の絶対限界です。ユーザは、ハード
クオータで指定された領域を超えて使用することはできません。
猶予期間
ユーザまたはグループは、指定された猶予期間内にソフトクオータの制限内に戻る限り、ペナル
ティなしで各ソフトクオータを超過できます。
ソフトクオータからハードクオータへの変更
ユーザまたはグループがソフトクオータを超えた状態が猶予期間よりも長く続くと、ソフトク
オータはハードクオータに変更されます。ユーザまたはグループメンバーが、古くなったファイ
ルを削除して使用領域をソフトクオータ内に減らすまで、ユーザまたはグループはボリュームに
追加のデータを保存できなくなります。
第
5
章
クライアントとユーザを管理する
87
例
たとえば、佐藤さんという人にソフトクオータを
75 GB
、ハードクオータを
100 GB
、猶予期間
を
48
時間割り当てるとします。佐藤さんは、ファイル用に最大
75 GB
の領域をいつでも必要な
だけ使用できます。非常に大きな追加のファイルがあっても、合計
100 GB
までならボリューム
にコピーできます。その後、ファイルを削除してソフトクオータの制限である
75 GB
以内に戻す
ための猶予期間が
48
時間あります。
48
時間たった後も
75 GB
を超える容量を使用している場
合は、
Xsan
によってハードクオータが
75 GB
にリセットされ、ストレージの使用容量が強制的
に削減されます。十分なファイルを削除して
75 GB
のクオータ制限内に戻るまで、佐藤さんは追
加のファイルをボリュームにコピーまたは保存できません。
クオータを正確に設定するために
SAN
ユーザを矛盾がないように定義する
Xsan
ユーザのクオータ情報を正確にするために、
SAN
上のすべてのコンピュータでユーザ名と
ID
の定義が矛盾していないことを確認してください。詳しくは、
43
ページの「
SAN
のユーザと
グループを設定する」を参照してください。